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新潟県岩船郡粟島には、「磧石塔婆」と呼ばれる板碑があります。磧石塔婆は鎌倉時代から室町時代にかけて造られたもので、粟島に現存しています。先祖の追善や生前に後の世の幸せと繁栄を願う目的で造られた板碑です。よく似ているものに江戸時代に一般的であった供養塔や講塔がありますが、それらは磧石塔婆とは全く異なった意味合いを持っています。その昔、死後の霊魂は遊行僧によって海の遥か向こうにある西方浄土を目指して長い旅に出るとされていました。そして、霊魂は極楽浄土に辿り着くと再び新たな命を得ることができるとされていたのです。夕日に照らされた粟島の美しい情景が極楽浄土への入り口を連想させたことから、この場所に板碑が集約されて造られたという逸話があります。