「線状降水帯」による大雨の呼びかけ どれくらい当たったのか 気象庁が実績を発表
線状降水帯とは
線状降水帯が発生するしくみ(メカニズム)の代表的なものに「バックビルディング現象」があります。これは、風上で次々と発生した雨雲が、発達しながら風に乗って同じような場所に流れ込み、線状の強雨域が形成されるものです。
※発生メカニズムに未解明な点も多く、全ての線状降水帯が同じようなメカニズムになるとは限りません。
「線状降水帯」による大雨の呼びかけ 今年の実績
この「線状降水帯」という言葉を使った呼びかけについて、気象庁では、8月29日までの今年の実績を速報的にまとめた資料を5日(金)に発表しました。※一番上の図
線状降水帯発生の呼びかけを行った41回中、実際に線状降水帯が発生した回数は8回でした。呼びかけ「あり」のうち、実際に発生「あり」となった割合を「適中率」といい、今年の場合、適中率は約20%でした。また、線状降水帯の発生「あり」のとき線状降水帯発生の呼びかけが「あり」だった割合を「捕捉率」といい、今年は約80%でした。「適中率」と「捕捉率」は、どちらの指標も数値が大きいほど、呼びかけの精度が高いことを示します。今年1月に発表された去年(2024年)の実績では、適中率が約10%、捕捉率が約38%だったため、今のところ今年は去年を上回る確率となっています。
また、線状降水帯発生の呼びかけを行った41回中、発生「あり」は8回でしたが、それ以外にも20回(暫定)ほど3時間降水量が100ミリ以上になっていることから、線状降水帯による大雨の呼びかけがあったときは、大雨災害への心構えを一段と高めることが重要です。
