台風5号はなぜ発達しなかった? 今年の台風シーズンで注目したいポイント
台風5号は、なぜ発達しなかったのか
背景を見ていくと、「生まれる条件」はそろっていた一方で、「育ち続ける条件」が整わないタイプの熱帯擾乱だったと言えそうです。
今回、低緯度の熱帯域では、偏東風と呼ばれる風の流れが波打つ状態となり、その影響で雲が発生し、一時的にまとまりやすくなりました。
台風5号は、こうした大気の流れをきっかけの一つとして発生したとみられます。
ただ、その後の周囲の大気の流れを見ると、台風が発達を続けるために必要な環境は長くは続きませんでした。
雲は一時的に発達したものの、組織だった構造が保たれず、台風5号は勢力をほとんど強めることなく、西へ進みました。
熱帯では、雲の塊が発生すること自体は珍しくありませんが、台風として発達を続けられるものは、その中のほんの一部です。
ちなみに、前回の台風4号は、活発な積雲が対流するエリアで発生したことや亜熱帯ジェットと呼ばれる上空の強い流れが北へ蛇行したことにより、暖かい南の海上でエネルギーをたっぷりと蓄え、台風として発達しやすい環境が整いました。
このように、同じ時期であっても、台風ごとに発達の仕方や特徴が大きく異なることが分かります。
今年の台風シーズン、どんな点に注目しているのか
台風は、高気圧の縁に沿って進むため、太平洋高気圧の位置や勢力によって、進路や日本への接近のしやすさが変わります。
例年、7~8月は、フィリピン付近でモンスーン対流と呼ばれる積乱雲の対流が活発になり、太平洋高気圧が日本列島をすっぽり覆うように西に強く張り出すようになります。このため、台風が朝鮮半島付近や日本海を北上することも多くなります。
今年は、8月以降、太平洋高気圧の日本付近への張り出しが弱まる時期がある見込みで、図中の例年の9月のように、台風が日本列島に沿うような形で北上するおそれもあります。太平洋高気圧の勢力を確かめながら、台風の進み方に注意が必要な時期となりそうです。
また、今後、夏から秋にかけて、エルニーニョ現象が発生する可能性が高くなっています。エルニーニョが発生すると台風の発達する条件が揃いやすくなるため、勢力が強い状態で日本列島に接近しやすくなる可能性もあります。
台風情報を見るときのポイント
気象情報を見る際は、台風や熱帯低気圧の進路だけを見るのではなく、発達の見通しや、台風の強さ・大きさにも注目しながら、最新の情報を確認していくことが大切です。

