秋の降水量 東京都心は今世紀で最少 空気の乾燥続く太平洋側 火の取り扱いに注意
今年の秋(9~11月)の降水量は、東日本と西日本の太平洋側を中心に平年より少なくなりました。場所によっては平年の半分にすら届かず、東京都心は今世紀に入って最も少なくなっています。この先もしばらく、太平洋側では少雨の傾向が持続し、冬の間は空気の乾く日が多い見込みです。火の取り扱いや体調管理にご注意ください。
秋(9~11月)の降水量 記録的に少ない所も
上の図は、過去90日間(9月2日~11月30日)の合計降水量の平年比です。山陰から北の日本海側では、平年並みか平年より多い所が目立ちます。一方、関東~九州では、太平洋側を中心に平年より少ない所がほとんで、特に関東の内陸部や九州の瀬戸内海に面した場所は、平年より大幅に少なくなっています。 〇関東主要地点の秋(9~11月)の降水量 ※()内は平年値 ・前橋市 168.5ミリ(389.6ミリ) ・宇都宮市 194.5ミリ(462.6ミリ) ・水戸市 280.0ミリ(451.4ミリ) ・熊谷市 219.5ミリ(428.8ミリ) ・東京都心 327.0ミリ(556.0ミリ) ・千葉市 404.5ミリ(524.5ミリ) ・横浜市 542.5ミリ(589.5ミリ) 前橋市では過去最少を更新したほか、東京都心は327.0ミリで平年の6割に届かず、今世紀に入って最少となりました。 また、先日大規模な火災が発生した大分市佐賀関(さがのせき)では、123.5ミリで平年の3割以下と、極端に雨が少なかったことがわかります。
12月~1月も太平洋側では降水量が平年並みか少ない
11月25日に気象庁から発表された最新の3か月予報によると、関東から九州の太平洋側を中心に、12月の降水量は平年より少ない見込みです。さらに1月と2月も、同様の地域では降水量は平年並みか平年より少ない予想です。 毎日のように火災のニュースが相次ぐ中、冬の間は広い範囲にわたって空気の乾燥しやすい日が多く、この先も火の取り扱いに十分注意が必要です。また、全国的にインフルエンザが流行しています。手洗いやうがいの励行、マスクの着用、加湿など、体調管理にも十分お気をつけください。
空気が乾燥 加湿する際のポイント
空気が乾燥する時は、上手に加湿をして、乗り切りたいものです。そこで、室内を加湿する際のポイントを、覚えておいてください。 ① 加湿器を使ったり、洗濯物や濡らしたタオルなどを室内に干したりして、適度な湿度を保ちましょう。室内の最適な湿度の目安は50~60%です。湿度計を使うと簡単に湿度を計ることができますので、こまめにチェックするのが、おすすめです。加湿器を使った場合は、点検や清掃を定期的に行ってください。 ② 室内の湿度が高くなると、窓ガラスが外気で冷やされ、結露しやすくなります。カビが発生する原因にもなりますので、結露したら、ふき取ってください。 ③ 鍋料理は、体の中から温まるだけでなく、様々な栄養を一度に摂取でき、水分もたっぷり取れます。また、鍋料理からの湯気によって、室内の湿度を上げる効果もあります。 なお、適度な湿度を保つには、加湿と換気を併用するよう、心がけてください。