平安時代の貴族は、広い自宅の敷地に花や木を植えて愛でていました。そして、自宅の花木をいつくしむのと同じように、山一面の紅葉も見物に行きたい。でも、貴族たちは特別な用がない限り、平安京の外に出ることは許されていませんでした。特別な用とは、神社や寺へのお参り、お祭りなどの見物、鷹狩りなど。
さらに、移動するには牛車や馬に乗らなければならず、自分の足で歩くことは下品だと考えられていました。とはいえ、山に出かけて紅葉を楽しみたい。そこで、「狩り」という名目で山に行けば、たとえ山の中を自分の足で歩いたとしても、貴族としての体裁が保たれます。こうして、紅葉を見にいくことを「紅葉狩り」とよぶようになりました。
参考
国立国会図書館「レファレンス協同データベース」:
ホタル狩りはなぜ「狩り」というのかNHK「チコちゃんに叱られる!」:
紅葉狩りはなんで狩りっていうの?