洪水などの水害が起きやすい“出水期”が今年もやってくる。災害による犠牲者ゼロを目指し、2026年4月23日から福島県で本格的に動き出したのが『タイムライン』だ。
■福島県でも本格運用へ
4月23日に福島県庁で初めて開催されたのは「ふくしまタイムライン防災推進会議」だ。
福島県や市町村、消防や気象台などの防災に関わる担当者・約100人が出席。タイムラインの策定に向けて検討を重ねていくことになった。
福島県災害対策課の箭内良次課長さんは「ふくしまタイムラインの全体方針を、参加機関の皆様と共有することを目的に開催した」と語る。
■そもそも“タイムライン”とは?
災害時に発生するリスクを段階に応じて想定し「いつ」「誰が」「何をするのか」を予め決め整理したもの。
多くの犠牲者を出した2011年の「紀伊半島豪雨」をうけ、三重県の紀宝町が全国に先駆けて導入。
その後、タイムラインは全国に広まっていて、国は2022年から策定を努力義務化し、普及を後押ししている。
■全国初 マルチハザード対応
そうしたなか、福島県が今回目指すのは全国初のマルチハザード対応のタイムライン。
一般的なものは、大雨などを想定したものだが、福島県は地震や津波、火山噴火、さらには大雪による災害もカバーする予定だ。
福島県災害対策課の箭内さんは「今回策定するタイムラインは、作って終わりでなく、いかに実効性のあるタイムラインを作っていくかというのが一番の課題」と語る。
また本宮市防災対策課・地域防災マネージャーの小齋広志さんは「非常にいいことだと思う。災害の情報が簡単に共有できるところが一つあればいいのかと思う」と話した。
今後は関係機関と認識の共有を進め、2028年度の完成を目指す。
■防災マイスターが提唱
東京通信大学特任教授で『防災マイスター』の松尾一郎さんは、これまでタイムラインの重要性を呼びかけてきた。
今回、福島県でも進めていくことが示されたことについて「福島は様々な災害に襲われている地域。そういう意味では、いかなる災害も対応できるようなタイムライン、いわゆるマルチハザードタイムラインを作ることは、県が市町村や関係機関や団体と一緒になって、真剣に県民の生命を守る取り組みを考えている証し」と語る。
■5月29日運用開始 防災気象情報
そしてタイムラインとも密接に関わってくるのが、大きく変わる避難の呼びかけだ。2026年5月29日から運用が始まるのが、新たな防災気象情報。
発表される警報や注意報は、全て【レベル】ごとに色分けされ、『レベル4』で危険な場所から全員避難となる。
例えば「大雨警報」は5月下旬からは「レベル3大雨警報」と発表されるため、これまで危険度を判断しやすくなる。
防災マイスターの松尾さんは「注意・警戒・危険と、表現はこれまでの取り組みよりもシンプルになったと思う。この情報が出たらどう行動するかということを、それぞれが決めておきたい。ご自身とか家族の命を守る情報であること、内容や意味を皆さんが理解するということが必要。広く知らしめる行為が気象台も報道機関も必要だと思う」と話した。
