雨が降り続くと肌にまとわりつくようなジメジメ感に気分がふさぐこともあります。気をつけたいのが食べ物の腐敗やカビ、食中毒でしょう。現在はエアコンでの除湿や換気、冷凍や冷蔵の設備が充分整っており、心配することは少なくなってきていますが、余分な水分を拭き取り湿気を残さない気配りを欠かさないこともポイントかもしれません。
今の時期に大いに利用したい香草に紫蘇(シソ)があります。効用は古く江戸時代、貝原益軒は「魚毒を去り香気あり」とその著書『大和本草』に記しています。当時は青ジソよりも赤紫色した赤ジソが主だったようです。益軒はシソについてさらに、たくさん採れた葉は日に干し味噌とあえて壺に保存して食欲増進に役立てるように、また穂や実まですべてを食べなさいと、シソの有用性を記しています。冷蔵といった保存手段が無かった当時、梅雨の時期に旬をむかえる赤ジソは食中毒をさける手軽な方法として大いに利用されていたことがわかります。
現在でも赤ジソは梅干し作りに利用されていますし、赤ジソの葉を乾燥したふりかけは、おにぎりやお弁当でおなじみです。また青ジソは通年をとおして栽培され店頭に並ぶようになりました。冷奴の薬味や、刺身に添えたり色取りとしてあしらったり、緑色が持つ力とともに効用は知らぬ間に受け継がれています。
ガラスの器に水を張り青ジソの葉を浮かせてテーブルに置いてみました。こんなことで食卓がリフレッシュしたように感じます。ささやかな葉っぱですが、植物の色や香りには私たちをいたわり助けてくれる力が色々とありそうです。
参考:
[中村学園大学 貝原益軒アーカイブ]「大倭本艸巻之六 草之二 薬類」