2023年の梅雨はどんな梅雨? 最新状況と今後の傾向をまとめてお伝えします
サイエンス
2023年も7月に入り、各地の梅雨明けも目前に迫ってきました。
ただ、今年は、梅雨時期に台風の発生が多く予想されることから、大雨災害の発生に対する油断はまだ禁物です。梅雨に伴う天候に変化にどう対処すべきかも、記事の後半でご紹介します。
2023年の梅雨明けはいつ?
まだ梅雨明けしていない地域の梅雨明けが目前に迫っています。
7月13日発表の最新の梅雨明け予想では、各地の梅雨明けは平年並みか平年より早くなる見込みです。
<梅雨明け予想 7/13発表>
東北北部 7月22日ごろ 平年より早い
東北南部 7月22日ごろ 平年並み
北陸地方 7月17日ごろ 平年より早い
関東甲信地方 7月16日ごろ 平年より早い
東海地方 7月16日ごろ 平年より早い
近畿地方 7月15日ごろ 平年より早い
中国地方 7月16日ごろ 平年より早い
四国地方 7月15日ごろ 平年並み
九州北部地方 7月16日ごろ 平年より早い
九州南部 7月14日ごろ 平年並み
2023年梅雨にはどういう特徴がある?
2023年は梅雨入り早々に、西日本から東日本の広い範囲で大雨となりました。
6月2日(金)から3日(土)にかけて、西日本から東日本に停滞した梅雨前線に向かって、台風2号から暖かく湿った空気が流れ込みました。その影響で、梅雨前線の活動が活発化し、高知県や和歌山県、奈良県、三重県、愛知県、静岡県では線状降水帯が発生しました。
今年の梅雨はすでに大雨災害が発生していますが、7月になると、日本付近に暖かく湿った空気が流れ込みやすくなり、本州付近で梅雨前線の活動が活発になる見込みです。毎年のように梅雨末期は大雨に見舞われますが、引き続き、大雨災害に対する十分な注意、警戒が必要です。
また、今年は4年ぶりにエルニーニョ現象が発生しています。過去、エルニーニョ現象が発生していた2014年の夏には、全国的に梅雨が明けた後に大雨災害が発生しています。7月31日から8月11日にかけて台風の日本列島への接近が相次いだこと、さらに、8月上旬から26日にかけては前線が日本付近に停滞したことにより、全国的に大雨の降りやすい天候が続きました。
これらのことからエルニーニョ現象が発生している今年は、真夏になってから、梅雨に逆戻りしたかのような天気となる可能性も考えられます。梅雨が明けた後も、油断はしないようにしてください。
雨は多くなる? 少なくなる?
最新の1か月予報(6月22日(木)発表)では、7月下旬にかけての降水量は、北日本や東日本、西日本では平年並み、沖縄・奄美では平年並みか少ない予想となっています。
ただ、梅雨前線が活発化するなどして、平年の1か月の間に降る雨が数日で降ってしまう可能性も考えられるため、雨の降り方には注意してください。
2023年に多くなるとされる台風との関係は?
5月19日発表
2023年は、7月にかけての夏の前半は台風の発生数が平年よりも多く、太平洋高気圧の西への張り出しがやや弱いと予想されることから、夏の前半である梅雨時期を中心に台風の接近数が多くなる可能性があります。
今年は、西日本から東日本に位置した梅雨前線に向かって、南から近づく台風2号から暖かく湿った空気が流れ込み、梅雨前線の活動が活発化したことにより、すでに大雨災害が発生していますが、7月にかけて十分な注意が必要です。
2023年の梅雨入りはどうだった?
2023年は、5月18日(木)頃に沖縄・奄美が平年より7日前後遅く梅雨入りとなったあと、5月29日(月)頃に九州北部、四国、中国、近畿、東海で一斉に梅雨入りの発表がありました。九州北部や四国、中国、近畿、東海は平年に比べて7日前後早い梅雨入りとなり、東海と近畿が5月に梅雨に入るのは、10年ぶりとなりました。
5月30日(火)頃には、梅雨前線が南下して、九州南部でも梅雨入りが発表されました。平年並みで昨年よりも、11日早い梅雨入りとなりました。
また、6月11日(日)頃には、北陸、東北南部、東北北部も梅雨入りし、梅雨のない北海道を除く、すべての地方で梅雨入りしました。
なぜ、梅雨があるの?
梅雨は5月末~7月にかけて、曇りや雨の日が続く気象現象のことで、梅雨前線によってもたらされます。
6月頃の日本付近は、冷たくて湿っている大きな空気の塊(気団といいます)であるオホーツク海気団が北日本を覆っており、南からは暖かく湿っている空気の塊である小笠原気団が日本付近にやってきます。それぞれの気団は性質が異なるため、混ざりあうことはなく、双方が日本付近で押し合うような形になってしまうため、気団の境目に梅雨前線ができることで日本に梅雨がやってくるのです。この梅雨前線は、6月から8月にかけて日本付近を北上していくことで日本各地に梅雨の季節が訪れるのですが、梅雨前線の北上スピードは遅く、停滞しているように見えることから、停滞前線とも呼ばれます。
梅雨の大雨はなぜ引き起こされる?
前線が停滞することで暖かく湿った空気が断続的に流れ込み、同じような場所に雨が降り続くことで、大雨が引き起こされます。特に、梅雨末期の頃には、日本付近に梅雨前線が停滞しやすくなり、毎年のように大雨災害がもたらされるため、警戒が必要です。また、台風の北側に梅雨前線が停滞しているときは、大雨になりやすい危険な気圧配置です。台風周辺の暖かく湿った空気が流れ込むことで梅雨前線の活動が非常に活発化し、記録的な大雨になることがあります。
過去の梅雨時期の大雨災害から学ぶ
2020年7月は梅雨前線の影響により各地で大雨となり、大規模な河川での氾濫が相次ぎました。
3日~8日にかけては、東日本から西日本の広い範囲で大雨となり、特に九州や岐阜県周辺では記録的な大雨になりました。気象庁は、熊本県、鹿児島県、福岡県、佐賀県、長崎県、岐阜県、長野県の7県に大雨特別警報を発表し、最大級の警戒を呼びかけました。
7月の総雨量は長野や高知県の多い所で2000ミリを超え、九州や東海、東北地方の多くの地点で、24,48,72時間降水量が観測史上1位の値を超えた所が相次ぎました。大雨により、球磨川や筑後川、飛騨川、江の川、最上川といった大河川での氾濫が相次いだほか、土砂災害、低地の浸水等により、人的被害や物的被害が多く発生しました。
梅雨入りの定義・基準とは
梅雨入りの発表は気象庁が行っており、大雨による災害が発生しやすい時期に入ったことを広く知らせる情報です。今までの天候と、その先1週間の予報をもとに、雨や曇りの日が多くなり始める頃を梅雨入りとして発表されています。
梅雨は長期間続く現象のため、「今日から梅雨です」「明日から梅雨です」という風に、ある1日を特定することは困難です。では、梅雨入り日の決め方はどのように行うのでしょうか? 答えは「移り変わり期間の中日」です。梅雨には、平均して5日間程度の「移り変わり」の期間があるとされており、その「中日」を梅雨入り日として推定します。
※例えば6月1日から5日が「移り変わり期間」だった場合、6月3日が中日、すなわち梅雨入り日となります。
また、9月になると、梅雨期間に「速報」として発表した梅雨入り・梅雨明け日が正しかったかどうかの検討が行われ、より適切な「移り変わりの期間」があれば、そちらに訂正することもあります。
梅雨の大雨に備える
梅雨時期はいつもより天気予報の確認に気を配るとともに、あらかじめ、ハザードマップを確認し、避難場所や避難経路の確認、家の周り、学校や会社の近くで浸水や土砂災害の危険度が高い場所はないか確認しておきましょう。災害が発生したときに備えて、複数の避難経路を確認しておくことが大切です。
日常生活で梅雨時期に気を付けたいこと
大雨災害に備えることはもちろんですが、普段の日常生活でも気を付けたいこと、気にしておきたいことがあります。
●熱中症の危険度は梅雨時期も高い
熱中症は梅雨明けして、最も暑くなる真夏の時期に起こりやすいと思われがちですが、実は梅雨時期にも危険が潜んでいます。梅雨時期は体がまだ暑さに慣れていないため、梅雨の合間に晴れて、急に気温が上がる日などは熱中症になりやすい危険な日なのです。また、気温が高いだけではなく、湿度が高い日はより熱中症が起こりやすくなるため、ムシムシと湿度が高い日が続く梅雨時期は注意が必要です。
●梅雨時期の香水は控えめに
われわれ人間の鼻は湿度が高いと香りを感じやすくなるため、ムシムシと湿度が高い日が続く梅雨の時期は、いつもより控えめに香水をつけるのがおすすめです。
まとめ
梅雨時期は大雨による災害が起こりやすい時期です。雨による災害が発生しやすい時期になったことを意識しましょう。特に2023年の梅雨は、梅雨時期に台風の発生が平年より多く予想されているため、より一層、大雨災害に対する心構えが必要です