皆さんも肌感覚で分かるかと思いますが、近年の夏は昔より暑くなっています。
それは紛れもない事実※ですが、一方で、昔の記録と現在の記録を比較するには、一度立ち止まって考えなければならない項目があります。
その項目というのが、「
猛暑日が増えている原因」の記事※でも説明している、「気温観測点の大部分を占めるアメダス観測点では、過去と現在で気温観測の統計方法が変わっている」という点です。
具体的には、2000年までは「1時間毎」の値を、2008~9年までは「10分毎」の値を、そして現在は「10秒毎」の値を、その日の最高気温として記録するようになっています。
例えば、「1時間毎」の値から最高気温を決めるのであれば、1日あたり24個のデータから最高気温を決めることになります。一方で、「10秒毎」の値から最高気温を決めるのであれば、1日あたり8640個のデータから最高気温を決めることになります。
つまり、8640÷24=360で、現在は2000年の時より360倍細かく気温をみて最高気温を決めていることになります。瞬間的な高温が以前より格段に拾いやすくなっているのが分かりますよね。
【アメダス観測点における気温統計方法の変遷】
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・~2000年まで:最高気温は1時間毎の値から採用(つまり24回/日)
・2001~2009年まで:最高気温は10分毎の値から採用(つまり144回/日)
・2009年~現在 :最高気温は10秒毎の値から採用(つまり8640回/日)
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※気象庁 | 日本の季節平均気温
https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/temp/sum_jpn.html