菖蒲、みかん、松など、日本にはその季節の植物をお風呂に入れてつかる「季節湯」という文化があります。その中のひとつである「ゆず湯」は、12月の冬至の日に入る季節湯です。奈良時代に中国からやってきたとされるゆずは、古くは薬用として使われていました。そんな歴史もあってか、「ゆず湯に入ると一年風邪をひかない」と言われています。風邪をひきやすいこの時期にぜひ入りたいお風呂ですよね。
それでは、いつ頃からゆず湯が定着したのでしょうか。
もともとお湯につかる習慣は、仏教が始まりとされています。それが後に一般の人々に広まり、江戸時代には銭湯が誕生しました。冬至にゆず湯に入るという習慣は、銭湯が誕生した江戸時代に始まったとされています。「冬至」と「湯治」、「ゆず」と「融通」がかけられて、「ゆず湯に入って融通が利くように(病気にならないように)」という願いがこめられているんだとか…。
今でも、冬至の季節になるとゆず湯が行われる銭湯や温泉がたくさんあります。次の日曜日は、ゆず湯で一年の疲れを癒してみてはいかがでしょうか。
<参考・参照>
毛呂山町東京銭湯(東京都公衆浴場業生活衛生同業組合)高知県立大学:https://www.u-kochi.ac.jp/~health/hitikotomemo/story_yuzu.html