以前の記事で、「古今和歌集」(905年成立。以下、古今集)以来の和歌では、春の代表である桜をどのように詠んできたかを見てきました。ほとんど恋人のように親しんで詠むことから、人から離れているものとして近づこうとしたり、人とは別の対象として美を見つめて描くという変化がありました。そうした表現の変化には、桜への関心や愛着が増すことはあっても減ずることはありません。
時代は、平安時代の末へと進みます。そこで桜の詠み方は、もう一度変わるように思います。
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