冬に発生する雷は夏の雷とどのような違いがあるのでしょうか。
◆積乱雲の高さ
冬場は上昇気流が夏と比べて弱く、気温が下がらない安定層が上空にあるため、積乱雲の雲頂は低くなり、一面に広がりやすいです。
夏場は雲頂が圏界面付近の12~13kmに達するのに対し、冬場の雲頂は5kmほどになります。また雲底も夏場の半分の1kmほどと地上から低い位置に雲が発生するのが特徴です。
◆雷の種類
雷には、
・対地放電(落雷)…雲と地上の間で発生する放電
・雲放電…雲の中や雲と雲の間などで発生する放電
があります。
上昇流が強い夏場は雲放電が盛んな一方で、比較的上昇流が弱くなる冬場は雲放電が少ないのが特徴です。また、
飛行機が雷を誘発して雷が発生する誘発雷が起きやすいのも冬場の特徴で、航空機の運航に大きな影響を与えています。
◆落雷のエネルギー
冬の雲は夏の雲に比べて水平方向に広範囲に広がり、雲底も低く、雲放電が少ないため、一度落雷が発生すると、そのエネルギーは夏場より大きくなります。このため、冬の雷は「一発雷」とも呼ばれています。