航空機の被雷は、「自然に発生した雷の経路上に航空機が進んだ結果被雷する場合」と、「航空機が雷を誘発して被雷する場合」の2種類に分けられます。海外の研究では、航空機の被雷の大半が後者の「航空機が雷を誘発して被雷する場合」であるとされ、誘発雷と呼ばれています。誘発雷は、発達した積乱雲を回避しても発生する可能性があるので飛行機の運航に大きな影響を与える現象になっています。
日本でも年間数百件の被雷が報告されています※。飛行機が被雷する高度にも傾向があり、巡航高度よりも上昇・降下中にあたる高度での被雷が多い傾向にあります。民間機は1,000~20,000飛行時間に1回の割合で被雷していると試算されています※。
また、日本海側は世界的にも珍しい
冬季雷の多発地域であり、誘発雷が運航に大きな影響を与えています。
※出典
「被雷危険性予測技術の研究開発」(2021)
「Aircraft Lightning Environment and Related Test Waveforms」(2013)