雪形は、標高の高い山がよく見える地域に昔から伝わっていて、記録が最も多く残っているのは新潟県だといわれています。ついで長野県、岐阜県など。昔の雪形のタイトルを見ると、農作業を行う目安として用いられていたので、「種まきうさぎ」や「豆まき小僧」など、「いかにも」というものが多かったようです。
しかし、昭和に入ってからは、雪形を農作業の暦として利用する文化が薄れ、見たままを楽しむ「ニュー雪形」が流行してきました。雪形の研究者たちは、これらの新しい雪形と、古来からの伝承にもとづく雪形とを区別しています。
「ニュー雪形」のタイトルを見ると、「からす天狗とドラゴンのにらみ合い」「リーゼント野郎」「うわっ! 転ぶ!」など、ユニークなものがたくさんあります（参考：「雪形フォトコンテスト）。
昔のように、「馬が見えたから、そろそろ土を耕そう」という「農業枠」にとらわれることなく、今では、見たまま、感じたままをタイトルにする「ニュー雪形」が広く楽しまれています。