スイカが熟しているかどうかを叩いた音の高低で判断するとお伝えしましたが、音以外にも、スイカを叩いた時に手に伝わる振動を利用すれば、スイカの中に空洞があるかどうかがわかります。そもそも音も空気の振動です。その振動を耳で聞くのではなく、スイカの皮に触れている手で直接感じとることもできるはずです。
方法は簡単。まず、スイカをはさむように両手をぴったりと添えます。片方の手でスイカを叩き、もう片方の手で、振動の強さを感じとります。この時、けっして強く叩く必要はありません。指で小刻みに軽く弾く程度でOKです。
●中に空洞がある場合
中に空洞があると、叩いたほうから反対側の手に振動があまり伝わりません。これは、空洞があることによって振動が大きく減衰するからです。
●実がぎっしりつまっている場合
叩いた振動が空洞にジャマされずに進むので、反対側の手で、振動をより強く感じることができます。ほんの少し指で弾くだけで振動が伝わります。
このように、スイカを叩いて手に伝わる振動で、中の空洞を見つけることができます。空洞果を見つけるプロの検査員になると、1人で1日に数百玉、1ヵ月もの間、スイカを叩き続けるとか。スイカのシーズンが終わるころには手がグローブのように腫れてしまう、という逸話もあるそうです。おかげで私たち消費者は空洞のないおいしいスイカを食べることができるというわけです。
参考
NHK ガッテン
「夏の幸せ丸ごとお届け! 極甘スイカ祭り」JA全農とっとり
「学んでみよう スイカ」