新春恒例!「ウィーンフィル ニューイヤーコンサート」~音の花咲く元日の宵~
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ワルツという名の水仙
初春のお慶びを申し上げます。
新しい年を迎え、家族やご友人でお節料理を囲み、和やかな時間をお過ごしのことと思います。
一年の初めの夜は明るく!音楽の都・ウィーンのニューイヤーコンサートを楽しんでみませんか?
楽曲に欠かせない、ワルツにちなんだ花とともにご紹介しましょう。
コンサートの歴史と趣向に満ちた演奏
ニューイヤーコンサートは、正式には1941年1月1日から楽友協会で始まりました。正式には…と言うのは、1939年に、「特別コンサート」という名のもとに、ジルヴェスター(大晦日)コンサートとして開催されたのが前身となっていたためです。
今年で75回目を迎えるこのコンサートは、ニューイヤーコンサートの代名詞となっていると言って過言ではないでしょう。1980年からは世界46か国へテレビ中継されており、ウィーンのみならず世界的に人気の高いイベントとなりました。
その特徴は、①ワルツを中心とした楽曲、②イタリア・サンレモから取り寄せた花で彩られた会場、③団員のユーモアあふれる演出や、指揮者の挨拶と観客の応酬…など、明るく楽しい構成がされているほか、近年は二部構成になって、後半は踊りの映像とのコラボも見逃せないですね。
シュトラウス家とウィーン子ならではの「ワルツ」
ウィーン 楽友協会
前項でも記しましたが、演奏される曲目はシュトラウス家のワルツを主体に演奏されています。中でも
ワルツのリズムはとても特徴的で、三拍子の二拍目から三拍目の微妙な間を正確に演奏するのは、ウィーン子ならではの感覚が必要とも言われています。
毎年必ず演奏されるのは、アンコールの「美しく青きドナウ」と「ラデツキー行進曲」です。美しく青きドナウのイントロでの観客の拍手に応えて、指揮者が挨拶をするのもお決まりです。ここはそれぞれの指揮者の特徴が表れるので注目したいところです。また、ウィーン少年合唱団以外の歌唱とは共演しないのもこだわりのようです。地元にこだわった構成・演出は、音楽の都ならではとも言えますね。
ワルツという名の花
ダリア「ムーンワルツ」
花に彩られたコンサート会場ですが、こちらも毎年色彩やアレンジが美しく、新春の華やかさを際立たせています。
ところで、「ワルツ」の名を持つ花があるのをご存知でしょうか?トップの写真は水仙の品種です。柔らかな色合いが美しいですね。ほかに見つけたのは「ムーンワルツ」というダリアです。どちらの花も、春らしい優しい色合いが共通しています。ワルツの持つ、軽やかさが花の名前の由来となっているのかもしれませんね。
季語では、初春の類義語に「花の春」という言葉があります。まさに、ニューイヤーコンサートにぴったりですね。
新春の一句【音の花咲きて語らう花の春】 柊花
今年一年が、心華やぐ日々でありますように…。
追記:現地では1月1日の正午に始まりますが、日本では19時~22時にNHK・Eテレにて生中継されますので、ぜひお楽しみください。
≪参考・出展≫
ウィーンフィル・ニューイヤーコンサート2016 NHKオンライン
ニューイヤーコンサート ホームページ