サルもほっこり! 冬こそ行きたい秘境の雪見露天温泉
レジャー
温かい湯の中で親睦を深めるサルたち⁉
寒い季節に温泉でゆったりくつろぐことは、まさに日本人ならではのだいご味!
純白の雪に覆われた静かな秘境でザブンとお湯に浸かり、肩や顔にはらりと舞い落ちる雪を感じるのも、粋な冬の風情ですね。
とはいえ冬の温泉を楽しみにしているのは、どうやら人間だけではないようなのです。
最近は、温泉につかるサルをテレビや雑誌で目にする機会が増えましたね。
そこで、サルもくつろぐ秘境の温泉を調べてみたところ……。
温泉で、サルと混浴⁉
長野県の秘境・地獄谷温泉にある旅館「後楽館」は、約150年前の歴史をもつ一軒宿であり、露天風呂に野生のサルが入ってくるという、知る人ぞ知る秘境の温泉です。
それにしても、いつから、なぜ、サルが温泉に入るようになったのでしょうか?
その歴史をたどってみたところ、「後楽館」のすぐ隣には「サルと人間の共存」をテーマに作られた公園「地獄谷野猿公苑」があり、ここで餌付けされていた1匹の子ザルが偶然「後楽館」の露天風呂に入ったことが、事の始まりだそう。そして、同じ群れのサルたちも子ザルを真似て、次から次へと温かい湯につかるように……。
これはあくまで推測ですが、温泉のその気持ちよさはサルの群れの間であっという間に広がり、今日まで語り継がれている、と考えられます。
サル専用の露天風呂
サルが温泉に入る光景はほほえましくもありますが、実際に人間と同じ温泉に入るとなると、それはそれで衛生上好ましくない問題が発生します。
そこで「地獄谷野猿公苑」では、サル専用の露天風呂作りに着手。
以来、毎年冬になると、湯の温かさにうっとりする表情や、目をつぶったままじっと動かない、人間の温泉ファン顔負けのサルの姿が見られます。
中には何時間も温泉につかる、人間顔負けの“温泉大好きザル”もいるというから驚きですね。
海外で大人気“snow monkey”
温泉でくつろぐサルの姿を撮影した写真等は海外からの注目度も高く、温泉につかるサルには“snow monkey”の愛称がつけられ、アメリカのメディアなどでも大きな取り上げられており、実際にサルが温泉に入る冬期は、来場者の半数が海外からの観光客で占められるほど。
アメリカで開催された「ネイチャーズ・ベスト国際写真コンテスト2006」では、「地獄谷野猿公苑」の職員・萩原敏夫さんが撮影したサルの入浴写真が、応募総数1万2000点以上の中からグランプリに選出!
この受賞をきっかけに海外人気がさらに加速したといわれています。
温泉に入るのはサルだけ?
地獄谷には野生のサルの他にも、冬の厳しい寒さを生き抜く数々の種類の動物が生息していますが、カモシカ、リス、キツネ、タヌキ……などの動物の中でも、温泉につかる習性をもつのはサルだけ。
サルにはどうやら人間と同様、温泉につかることで寒さからカラダを守る知恵があるようです。
ちなみにサルは汗をあまりかかないので、人間と違って湯冷めをしないそう! そこは何ともうらやましいですね。
最後に。
もし、あなたが温泉につかっている最中にサルが入ってきたら、一定の距離を保ち、静かに見守りましょう。
野趣あふれる秘境で、サルと一緒に冬の温泉を楽しめるなんて、とてもラッキーなことかもしれませんから。