エルニーニョ監視速報 ラニーニャ現象に近い状態解消へ 夏に向けエルニーニョ現象か
1月の実況
1月のエルニーニョ監視海域の海面水温の基準値からの差は-0.4℃で、基準値に近い値でした。
また、エルニーニョ・ラニーニャ現象発生の判断に使用している5か月移動平均値の11月の値は-0.5℃で、基準値より低い値でした。
太平洋赤道域の海面水温は西部で平年より高かった一方、中部から東部では平年より低くなりました。太平洋赤道域の海洋表層の水温は西部から中部で平年より高かった一方、東部では平年より低くなりましたが前月より偏差は小さくなりました。
太平洋赤道域の大気下層の東風(貿易風)は、中部と東部で平年よりやや強くなりました。対流活動は、太平洋赤道域の日付変更線付近ではほぼ平年並みでした。
このような大気と海洋の状態は、エルニーニョ現象もラニーニャ現象も発生していない平常の状態とみられ、ラニーニャ現象に近い状態は解消に向かっていることを示しています。
今後の見通し
大気海洋結合モデルは、この暖水の東進に伴いエルニーニョ監視海域の海面水温が夏にかけて次第に上昇し、冬の終わりには基準値に近い値となり、春から夏にかけては基準値に近い値か基準値より高い値で推移すると予測しています。
ただし、この時期の春を超えるエルニーニョ現象の予測は不確実性が大きくなっています。
以上のことから、春の間にエルニーニョ現象が発生する可能性と平常の状態が続く可能性が同程度(50%)となり、夏には平常の状態が続く可能性もありますが(40%)、エルニーニョ現象が発生する可能性の方がより高くなるとみられます(60%)。
エルニーニョ現象とは?
ただ、何らかの原因で東風が弱まると、西側の暖かい海水が東側へ広がるとともに、東側にわき上がる冷たい海水の勢いが弱まり、南米沖の海面水温が通常より高くなります。このように、太平洋赤道域の日付変更線付近から南米沿岸にかけて、海面水温が平年より高くなり、その状態が1年程度続く現象を「エルニーニョ現象」と呼びます。
(「エルニーニョ(El Nino)」とは、スペイン語でイエス・キリストという意味で、クリスマスのころに海面水温が高くなることから名づけられました。)
「エルニーニョ現象」は海で起こる現象ですが、発生すると大気にも影響を及ぼし、世界各地で気圧配置などがいつもとは違った状態になります。雨や雪の降りやすい場所や、風の吹き方、気温などが変わってくるのです。「エルニーニョ現象」発生時の日本は、冷夏や暖冬になりやすいと言われています。

