北陸 梅雨の確定値 速報値を大幅修正 このあとも続く大雨シーズンに注意・警戒
気象庁が発表した2025年の北陸地方の梅雨の確定値は、入り・明けともに速報値を19日前倒しして平年よりかなり早く、1951年からの統計史上最も早くなりました。特に梅雨明けは、統計史上初の6月となり、期間降水量は平年の半分程度にとどまりました。近年は想定を超える短時間強雨など、極端な天気が頻発しています。このあとも秋雨前線や台風による大雨シーズンは続きます。大雨への備えを改めて確認するようにして下さい。
梅雨入りは過去最早タイ 明けは過去最早 6月の梅雨明けは史上初
2025年の北陸地方の梅雨の確定値は、入りが5月22日頃、明けが6月29日頃とされました。いずれも1951年からの統計で最も早く、6月中に梅雨明けとなるのは史上初のことです。
※1956年の梅雨入りも5月22日頃となっており、梅雨入りは厳密には過去最早タイ記録となります。
2025年は梅雨の期間が前倒し 早すぎる盛夏到来と真夏の災害級大雨
図は5月22日~8月31日までの北陸地方の5日毎の降水量平年比(青色の棒)と平均気温平年差(緑色の折れ線)を表しています。
また、ピンク色の網掛け部分は2025年の梅雨の期間(5月22日頃~6月29日頃)、その右側の網掛け部分は平年の梅雨の期間(6月11日頃~7月23日頃)を示しています。
2025年は、5月中旬以降、降水のピークが複数あり、平年日の6月11日頃から3週間程遡ること5月22日頃が梅雨入りの確定値とされました。7月に入ると早すぎる本格的な夏の到来となり、降水の目立ったピークも無く、6月29日頃が梅雨明けの確定値とされました。
7月~8月初めにかけては極端な高温と少雨が続きましたが、8月6日~10日頃を中心に活発な前線の活動の影響で平年比で863%に達する極端な大雨となりました。石川県では線状降水帯が発生、8月7日の金沢の日降水量は332.0mmを観測。想定を超える短期集中の大雨となり、土砂崩れによる住宅の損壊、住宅や競馬場の床上や床下浸水などの被害が相次ぎました。
梅雨のデータバンク(確定値)
確定値は、春から夏にかけての天候経過を総合的に検討し、統計値として確定したものです。北陸地方では、1951年(昭和26年)からの75年の統計で、1993年(平成5年)、1998年(平成10年)、2009年(平成21年)、2022年(令和4年)の過去4回にわたり、確定時に梅雨明けは特定できなかったとされています。
大雨シーズン続く 線状降水帯による想定外の短期集中の大雨に警戒を
北陸地方では、令和4年以降、線状降水帯による大雨災害が毎年発生、特に石川県では、3年連続となっており、その時期は、梅雨の時期に限ったことではありません。秋雨前線や台風シーズンはこのあとも続きます。引き続き、短時間に極端な大雨になる事も起こり得るものとして、十分な備えを行って下さい。