新米シーズンに、より美味しくいただくための保存法や炊き方をまとめました。
【冷蔵庫で保存!】
基本的には、お米は密閉容器に入れて、湿度が低く、比較的涼しい場所、直射日光が当たらない場所に保存しましょう。貯蔵する温度を10度以下にすると、米の酸化速度を遅らせることができるので冷蔵庫での保存がおすすめです。シンク下などは特に不適切な場所になるので避けましょう。
【とがずにサッと洗うだけ!】
お米を「とぐ」というのは、お米どうしをこすり合わせてヌカを取り除くこと、「洗う」とはお米の表面に着いた汚れなどを洗い流すことを言います。昔は精米機の性能が悪く、お米の表面に多くのヌカが残り、味が落ちたり日持ちが悪くなるために、できるだけヌカを取り除く必要がありました。ヌカは油分を含んでいるために、ゴシゴシとこすり合わせて「とぐ」ことが必要だったのです。しかし今は精米技術が向上し、ほとんどヌカはついていない状態になっているといいます。
今の時代は「とぐ」必要はなく、「洗う」だけで十分なのです。
【硬水より軟水 冷たい方がマル!】
お米を洗う際の最初のお水が肝心です。軟水のミネラルウォーターか浄水器の水を使いましょう。水の硬度が高いと硬いご飯になり、欧州の水は硬度が高いのでご飯を炊く水には適していないようです。硬水よりも軟水の方が味が良くなると評価されています。洗米の途中は水道水でかまいません。炊飯の際は、やはり、軟水のミネラルウォーターか浄水器の水がベストです。水の温度はなるべく冷たいお水で浸水すると、米にゆっくり給水されるので甘みが増すとも言われています。こだわりの強い方は氷を入れる方もいるそうですが、氷を入れると水加減が変わりますのでご注意ください。また、水の量は少しの違いで味が変わります。計量カップで米も水も平らなテーブルで正確に計るようにしましょう。
【浸漬で一段と美味しく】
浸漬とは、米粒の中心部まで十分に吸水させることをいいます。十分に吸水させることで、美味しいごはんが炊きあがります。精米は最初の30分間で急速に吸水が行われ、飽和状態に達するには、水温20℃以上で約1時間、10℃以下で約2時間を要します。時間がない場合は、30分程度の浸漬時間でも十分美味しくいただけますし、この季節に収穫される鮮度の良い新米は、水分量が多いので浸漬時間なしでもやや固めで美味しくいただけます。あまり長時間浸漬するとご飯に臭いがでることがあるため、長くても5時間以内がおすすめです。
【炊けたらすぐほぐす!】
炊きあがったら、すぐにほぐすというのがポイントです。忙しく食事の用意をしていると、炊き上がりを知らせる音が鳴ったのを確認しても、ほぐすのは食べる直前になってしまうことも多くあります。せっかくふっくらと炊きあがったごはんが含まれる水分の重さで粒が押しつぶされてしまい、食感が落ちてしまいます。空気を入れるように、ふんわりとお窯の底から返して、ほぐしましょう。
現在の多くの炊飯器は蒸らし時間を含む設定で炊き上がりを知らせてくれているはずなので、炊けた音と同時にほぐし、すぐに食べて大丈夫なはずです。ご自身の炊飯器を確認してみて下さい。
《参考資料》全国米穀販売事業共済協同組合 お米の雑学