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    「何日も同じ下着を…」元海保ママが西日本豪雨で悟った教訓。避難生活の不快感を軽減する「下着の備え」

    海上保安官・船舶料理士の経験を生かして暮らしに役立つ情報を発信する川崎みささんは、2018年の西日本豪雨の際、まったく備えをせずに自宅で被災。「子供達の被災期間をより過酷にしてしまった」という反省から、災害への備えを学び、「ひろしま防災Jプログラムトレーナー」の資格を取得。そんな、2児のママでもある川崎さんに、「災害時の女性の下着問題」への対処法を教えてもらった。

    写真・文=川崎みさ

    災害時に困った「下着にまつわること」

    夫婦ともに海上保安官でお互いに「災害が起こったら出動する」と思い込み、災害への備えをしていなかったわが家。そんな意識の低い状態で、西日本豪雨で被災したため、被災期間は過酷なものになってしまいました。

    しかも、当時わたしは第二子を出産したばかり。体調が整わない中で、約1月間の断水や物資不足で必要なモノが手に入らない被災生活で特に大変だったのが、同じ下着を何日も履き続けるしかない「不衛生」な状態と、それに伴う「精神的な不快感」でした。

    ・断水のため洗濯ができない
    ・下着が不衛生な状態になる
    ・不潔な下着は細菌感染等が心配
    ・生理(悪露)の経血モレや汚れの不安
    ・下着から悪臭が漂う
    ・不潔な下着は不快感が増す

    相談しにくかった下着の悩み

    「下着」にまつわる問題は、海上保安官時代から男性保安官にも相談しにくく、勇気を出して相談しても理解してもらえないこともあり、常に悩みのタネでした。そして災害時においても同じように、夫より女性であるわたしの方が「下着」に関する悩みは深刻でした。

    「災害時に下着のことで困らないためにはどうすればいいのか?」と考えたときに、海上保安官時代のことを、ふと思いだしました。

    大型巡視船に勤務していた頃は、数週間の長期航海中は体調が悪くなってもすぐに病院に行ける環境ではなかったので、体調不良にならないように衛生環境を整えたり、心身共に快適に過ごすための備えを船にアレコレ持ち込んでいました。

    その経験を基に、自宅避難の場合と避難所へ行く場合の2パターンで、災害時における下着の困りごとの対策を考えたのです。

    自宅避難の場合

    ・家族1人につき最低4枚の下着を用意
    ・「ナプキン」や「おりものシート」をストック

    普段は、なるべく最低限のモノで暮らすように心がけていますが、下着類は多めに準備。災害が起こって、断水になっても2日間同じ下着を使えば、8日間は洗濯ができなくても何とかしのげる計算です。

    西日本豪雨での災害時のように断水で洗濯ができない場合に備え、下着の汚れ防止・軽減策として「ナプキン」や「おりものシート」もストックしています。

    災害時は物資不足になったり、災害の影響でお店が臨時休業になることもあるので、必要なモノは予め買い置きしておくのがベスト!

    避難所へ行く場合

    ・使い捨てショーツの準備(生理用ショーツ型ナプキン、大人用紙パンツ、ペラペラの簡易下着、100円ショップの下着)
    ・消臭汚物入れ(ゴミ袋)の準備

    避難所では、衛生環境を整えることがより難しくなります。そのため、洗濯場が開設されるまでの間をしのぐために「使い捨てショーツ」と消臭効果のある「ゴミ袋」を準備しています。「使い捨てショーツ」は、様々な種類があり、その中からわが家に合ったモノを選びました。

    ショーツ型ナプキンや紙パンツを活用

    避難所での生理対策には、経血モレや汚れを気にせず使えるショーツ型ナプキンが安心。

    大人用紙パンツは、下着の替わりとしてだけでなく、非常用トイレも兼ねています。

    2枚入りのお試しパックなら、かさばらず非常持ち出しリュックにも入れやすいサイズ感なので便利。ペラペラの簡易下着(4枚入り110円)と100円ショップの下着(1枚110円)は、安いので気兼ねなく使い捨てできるところが魅力!

    仮設トイレで着替えられるかも検証

    住んでいる地域の防災訓練に参加して、仮設トイレの中で下着の取り替えができるかも検証。人目につかないように、下着が替えられると分かって安心しました。

    わが家では、「使い捨てショーツ」を避難所に洗濯場が開設される間までのつなぎとして考えていますが、「洗えない」「干す場所がない」「干すと人目が気になる」「盗難に合うかも」と、避難所生活が不安な方にも、「使い捨てショーツ」はおすすめです。備えておけば自宅避難でも活用できるので、ムダにはなりません。

    デリケートな問題こそ対策が必要

    わたしが勤務していた時は、海上保安庁は圧倒的に男性社会で女性特有の悩みや困りごとは自分で解決しなければいけませんでした。

    災害時においても、同じように女性特有の悩みや困りごとは発生します。デリケートな問題は、なかなか声を大にして助けを求めることができませんが、予め対策ができることもあります。

    わたしは災害が起こってから備えの必要性に気が付くという大失敗をしてしまったので、いざという時に困らないように、自分や家族に合った「災害時の下着の備え」を考えておきましょう。

    「何日も同じ下着を…」元海保ママが西日本豪雨で悟った教訓。避難生活の不快感を軽減する「下着の備え」

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