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    災害後の避難所運営は行政?住民? 知られていない制度の実態と災害関連死ゼロへの課題

    シリーズ「命と未来をまもる」。今年は災害関連死ゼロを目指し、避難所のあり方をテーマにお伝えしています。

    スタジオには福島記者です。

    3日は、避難所に対する根本的な認識を共有したいと思います。

    そもそも避難所は誰がやるのか、この点です。

    災害時、避難所開設の情報は各市町村から発表されていますし、住民の命や財産をまもる行政の役割の一環、そんなイメージがありますね。

    確かにそうです。

    災害対策基本法では市町村が事前に指定した避難所を災害時に開設すると規定されています。

    その一方で、避難所の運営は住民が主体となって行うと内閣府のガイドラインに明記されています。

    物資の配布や避難所の管理は市町村がやりますが炊き出しや掃除など避難生活自体の対応は避難した住民自らがやることになっています。

    家が被害を受け、帰るあてのない被災者とは言え、ホテルのようなサービスが受けられるというものではないと…。

    残念ながら、日本の制度はそうなっていませんで、災害の規模が大きくなればなるほど、市町村と住民の双方が制度が求める役割をこなせず、過酷な避難生活に陥った末、災害関連死が無くならない状況が続いています。

    能登半島地震では、能登の避難所でダンボールベッドの配備が本格化するまで2週間以上も雑魚寝が続き、床からの冷気やほこりでエコノミークラス症候群や感染症などの健康被害が多く出ました。

    犠牲者725人のうち、地震の直接的な被害から助かった命が失われる災害関連死は、497人と直接死の2倍以上となっています。

    災害関連死という言葉は阪神・淡路大震災で生まれましたよね。

    避難所の環境は30年経っても変わっていなかったということですね。

    そうなんです。この課題、解決の糸口は全国的にも見えていません。

    *リポート
    「災害医療の最新知見について話し合う全国集会の会場です。今ここで大きく注目されているのが避難所運営です」

    医療従事者や研究者、行政やボランティア団体の関係者2800人が参加した学術集会。

    参加者の多くが語ったのが避難所の過酷な状況でした。

    *中越防災安全推進機構 野村祐太さん
    「(避難者に)近づかないでくださいと言われる。風呂に入ってなくて、自分が発してる匂いがわかるくらい臭い」

    *特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン 木下真由香さん
    「発災から半年以上経過しても毎日カップラーメンを食べる高齢者もいる」

    *特定非営利活動法人ピースウィンズ・ジャパン 稲葉基高さん
    「薬なんかここ(避難所)で出しても、それだけでは人は救えない」

    *中越防災安全推進機構 河内毅さん
     「行政職員が(避難所に)来ると、我慢していた避難者から不満がぶつかってくる」

    *「避難所と避難生活の抜本的環境改善」を実現する超党派議員連盟 鳩山紀一郎事務局長
    「被災自治体の人たちが避難所運営を行うことがいかに困難か、災害対策基本法の改正も必要ではないか」

    富山で大規模な災害が起きた場合、避難所をうまく展開することができないのではないか、そんな印象を持ちました。

    幸いにして、私たちに長引く避難所運営の経験が無いからです。

    能登半島地震では県内で400か所あまりの避難所が開設され、最も多かった発生翌日で約1万6000人が避難しました。こちらはそれぞれの市町村でいつまで避難所が開かれていたかその日数です。

    県東部は2日、発生翌日に閉鎖したところを含め数日、長かったのが氷見市で23日、高岡市で26日ですね。

    最後まで開かれていたのですが、最も長かったのが高岡市の古府公民館、20人ほどが避難しました。

    どの避難所を運営するか、危機感を募らせている自治会もあります。

    高岡駅近くにある下関公民館。

    市が指定する避難所ですが、能登半島地震の際、開くことができませんでした。

    *下関校下連合自治会 北林和正会長
    「支援物資はこれだけ。これで下関の人たちを預かれって無理に決まっている。ダンボールベッドも無ければ、(プライバシーを確保する)パーテーションもない。(約300m離れた)小学校中学校(の避難所)に行かざるを得ない。指定避難所と言われても開けられない」

    こちらの公民館で先月行われた出町市長のタウンミーティング。

    テーマは、災害時、高齢者や障害のある人など要支援者への支援と避難所運営をどうするか。

    市の担当者が制度を説明したのに対し、住民からは、行政と住民がそれぞれどこまでを担うのか、明確化を求める声が相次ぎました。

    *住民
    「区分して教えていただかないと、行列を作って避難所に行くイメージで町内の人が思っている。何をしたらいいか、一連のスキームの見える化」

    *下関校下連合自治会 北林和正会長
    「線引きがすごく大事。行政はなんでも地域でと言うがで地域にこれをしてください、これは行政でやりますとハッキリしてもらいたい」

    住民の皆さん、避難所運営を自分たちでやるという気概があっても、実際どうしたらいいか、理解は進んでいないようですね。

    高岡市も能登半島地震以降、ダンボールベッドなど備蓄の拡充や防災計画の見直しを進めていますが住民とのコミュニケーションはまだまだこれからで、県内、他の市町村の多くが同様の状況です。

    公民館や小学校が指定されている避難所の運営は町内会や自治会単位で担うことが想定され、今はちょうど総会の時期でもありますので、避難所の運営をどうするか話し合いを始めることが災害関連死を無くす第一歩だと思います。

    ここまで「命と未来をまもる」。福島記者とお伝えしました。

    災害後の避難所運営は行政?住民? 知られていない制度の実態と災害関連死ゼロへの課題

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