熊本で再び大地震が起こるリスクについて考えます。熊本県内では3月中旬から天草・芦北地方で地震が相次いでいて、専門家は「日奈久断層帯の活動が活発になっている」と警鐘を鳴らします。
【九州大学 地震火山観測研究センター 松本 聡 教授】
「日奈久断層帯と布田川断層帯が一緒に滑った大きな地震で、『震度7』が2回もあったという最悪に近いことが起こって被害も大きかった」
長崎県島原市にある九州大学 地震火山観測研究センターの松本 聡 教授です。体に感じない微細な地震を検知できる地震計を九州各地の断層の周辺などに設置し、観測しています。
【松本 教授】
「日奈久断層の熊本地震で滑らなかった部分というのが地震によって、何らかの影響を受けて、地震活動が活発になっている」
日奈久断層帯は、益城町から芦北町を経て八代海南部に至る活断層です。
10年前の熊本地震は、日奈久断層帯の益城町から宇城市までの区間と布田川(ふたがわ)断層帯が大きくずれ動いたことで起きたとされています。
このずれ動いた部分では、地下にたまっていたひずみ、地震を起こすエネルギーがある程度、解消されたとみられる一方で、ずれ動かなかった日奈久断層帯の南側は地下にエネルギーがたまったままだと考えられています。
【松本 教授】
「熊本地震で壊れていない領域では、大きめの地震が結構起こっていますよね。そういう意味でも、まだまだ断層にかかるエネルギーは解放されていないので、注意が必要」
この1年間に熊本県内周辺で観測された地震データを地図に落とし込んだものです。体に感じない地震を含め、その数は5000回に迫ります。
特に3月中旬以降、天草・芦北地方では最大震度4の地震が発生するなど地震が相次いでいて、気象庁によると、震度1以上の地震が50回を超えています。
【松本 教授】
「今回の活動が日奈久断層全体と全く無関係とは思わない。何らかの影響を受けて起こっている活動だと思う」
松本教授らの研究チームは、震源が集中している津奈木町の沿岸部に、臨時の地震計を設置し、観測を強化しています。
また、国は日奈久断層帯の南側について、地震の切迫度が最も高い『Sランク』の活断層と評価。
今後30年以内の地震発生確率は『日奈久区間』が6%、『八代海区間』が16%で、想定される地震の規模はマグニチュード7.3から7.5で、熊本地震の『本震』に匹敵します。
【松本 教授】
「熊本地震の発生前よりも大地震が起こるポテンシャルが上がっていると思われる。ただ、それがあす起こるのか、100年後起こるのかは、私たちは特定できませんので、冷静に対処してもらうのが一番」
熊本県内に潜む大地震のリスク。松本教授は「熊本地震から10年の機会に、改めて地震への備えをしてほしい」と呼びかけます。
依然、日奈久断層帯は「活動が活発である」と地震の専門家は指摘しています。

