熱中症「特別」警戒アラートとは
国内の熱中症搬送者数は毎年数万人を超える
特に、昨年2025年夏(6月~8月)の日本の平均気温は歴代1位の高温となりました。日本の夏の平均気温偏差は、+2.36℃と2024年、2023年の記録である+1.76℃を大幅に上回り、3年連続で最も高い値を記録しました。群馬県伊勢崎市で国内の歴代最高気温である41.8℃を観測したほか、最高気温が40℃以上の延べ地点数は30地点と記録を更新しました。
これを受けて、気象庁では今年2026年から最高気温が40℃以上の日を「酷暑日」と名付け、顕著な高温に対する警戒を呼びかけることになりました。
高温の記録がここ数年次々に更新されているのは、地球温暖化が要因になっていることが挙げられます。総務省消防庁がとりまとめている熱中症による救急搬送状況によると、5月~9月の日本国内の熱中症による救急搬送者数は毎年数万を超えていて、死亡者数も高い水準で推移しています。
この状況を踏まえて、政府は熱中症対策を一層強化させるため2024年4月から「熱中症警戒アラート」に加えて、もう一段高い基準を設けた「熱中症特別警戒アラート」を新設し、発表することになりました。
熱中症「特別」警戒アラート 通常の警戒アラートとの違いは?
すでに運用されている熱中症警戒アラートとの違いは、以下の通りです。
まず、暑さ指数の基準は、熱中症警戒アラートの場合、温度や湿度などをもとにした暑さ指数の予測が、予想するエリアのいずれかの地点で33以上になると予測された場合に発表があります。
一方、熱中症特別警戒アラートの場合は、これまでは都道府県内の全てのアメダス地点で、暑さ指数の予測が35以上になると予測された場合に発表されるという基準となっていましたが、今年から暑さ指数情報提供地点の全てとして全地点から範囲を狭くしました。これについて、次に説明します。
熱中症警戒アラートは、前日午後5時及び、当日午前5時に発表され、熱中症特別警戒アラートは、前日の午後2時に発表されます。
※暑さ指数とは、気温、湿度、輻射熱(日射しを浴びたときに受ける熱や、地面、建物、人体などから出ている熱)から算出した熱中症の危険度を判断する数値です。
熱中症特別警戒アラート 2026年から基準が見直しに
熱中症特別警戒アラートの発表基準となっている暑さ指数の予測が35以上になった地点は、実際にこれまでにもありましたが、同じ都道府県内であっても、標高の高い地点では基準に達することがないため、熱中症特別警戒アラートは発表されにくいという指摘がありました。
過去最も暑い夏となり、熱中症による救急搬送者数が10万人を超えた昨年2025年ですら発表はありません。環境省はこれを受けて、熱中症特別警戒アラートの発表基準を改めました。
今年2026年からは暑さ指数を算出している全国約840地点ある中から、標高が高いなどの理由で、暑さ指数が低めに出ていた13県の24地点を除くことを決めました。
熱中症特別警戒アラートが発表されたらどう行動すべきか
「熱中症特別警戒アラート」が発表された際には、熱中症による救急搬送者数が急増する恐れが一気に高まるため、まずは自分で自分の命を守ることが大事です。また、自分自身だけでは守り切れない危険な暑さになることが想定されるため、周囲の人の命を守るために、熱中症対策を呼びかけあうことが大切です
経営者やイベントの主催者、学校の関係者は、熱中症対策を徹底し、対策が徹底できない場合には、イベントの中止やリモートワークへの変更を検討するなどの対策が必要です。情報に注意し、適切な熱中症対策をとってください。
なお、熱中症警戒アラートや熱中症特別警戒アラートの有無にとらわれず、日々、熱中症対策を心がける必要があります。
地球温暖化などの影響で、今後も夏が来るたびに、極端な高温となり、熱中症にかかるリスクが高まると考えられます。暑さの情報に十分警戒し、早めに備えを行いましょう。
また、政府は「熱中症特別警戒アラート」が発表された際、自治体に対して「クーリングシェルター」の開放を求めています。「クーリングシェルター」とは、図書館などの公共施設のほか、コンビニや薬局などの民間施設をひと涼みスポットとして開放することです。すでに多くの自治体が取り組みを進めていますので、自分が利用しやすい場所にあるかなど確認しておくといざという時に役立ちそうです。

