南海トラフ海底地震津波観測網が11月20日より活用開始 津波観測が最大10分短縮
津波の観測が最大10分短縮
南海トラフ地震は、駿河湾から日向灘沖にかけてのプレート境界を震源域として概ね100~150年間隔で繰り返し発生してきた大規模地震で、国による想定ですと静岡県から宮崎県にかけての一部では震度7となる可能性があるほか、関東地方から九州地方にかけての太平洋沿岸の広い地域に10mを超える大津波の襲来するとしています。
今回、国立研究開発法人防災科学技術研究所が南海トラフ地震の想定震源域のうち、それまで観測網が設置されていなかった高知県沖から日向灘の海底に、地震計と水圧計を備えた「南海トラフ海底地震津波観測網(N-net※)」を整備しました。
※N-net:Nankai Trough Seafloor Observation Network for Earthquakes and Tsunamis
(出典:気象庁)
大きな地震や津波の日頃からの備えが大切
突然起きる地震から命を守るには事前の備えが必要です。日頃から以下のポイントを確認し、備えましょう。
① まず、わが家が特に注意が必要な場所なのか、地盤の揺れやすさマップが都道府県から公開されていますので事前に調べておくようにしましょう。地震が起きた時に地盤が柔らかい場所では周りよりも大きく揺れます。
② 建物や家具の下敷きにならないように、古い耐震基準の家は耐震補強をしたり、家具を固定したりしましょう。また、ガラスには飛散防止フィルムを貼ると良いでしょう。
③ 非常時の水・食料の備蓄、非常持ち出し品を準備しておいてください。備蓄には使った分だけ買い足していく「ローリングストック」をぜひ活用してください。
また、実際に「大津波警報」が発表された時には、巨大な津波が襲い、木造家屋が全壊・流失し、人が津波による流れに巻き込まれるなど、甚大な被害が発生する危険が迫っています。
命を守るために、津波からの避難で最も大切なことは「遠くに行く」ことよりも、まずは「高い場所に行く」ことです。沿岸部や川沿いにいる人は、ただちに高台や避難ビルなど、できる限り安全な場所へ避難してください。高台や避難ビルなどへ行く時間の余裕がない時は、頑丈なビルの屋上などに避難しましょう。
なお、津波情報で発表される「津波の高さ」と、「津波が上陸してから地面に沿って這い上がる高さ(遡上高)」は異なります。「津波の高さ」とは海岸で予想される高さのことで、「遡上高」はその2~4倍に達する場合もあるのです。また、津波は、沿岸の地形などにより、局地的に予想よりも高くなるおそれがあります。
さらに、津波は、一度だけではなく、繰り返し襲ってきますし、第1波より、第2波や第3波の方が、高い場合もあります。警報が解除されるまで、決して安全な場所から離れないでください。
