「寒い時期に1カ月水シャワー」3.11当時の状況 震度7とは #知り続ける
当時、被災地にいた方の声
〇地震後の様子
・震度6強の揺れで、大きな家具が倒れ、2日間程停電した。震災から約1か月後も震度6強の揺れに見舞われ、家の壁に亀裂が入り、鍵をかけていたはずの窓が少し開いてしまった。
・道路がガタガタで自転車でも運転しにくく、自動車もマンホールが飛び出ている箇所を避ける必要があった。
〇震災時に困ったこと
・ガスが止まり、寒い時期に1か月程度も水シャワーを浴びた。精神的にもきつかった。
・4日後に電気が復旧するまで、携帯電話の充電ができなかった。
・食料や水のストックが少なかった上、非常食や水の備蓄をしていなかった。
・避難所への物資支援で、被災者に届くまでに時間がかかり、傷んでいるものもあったと聞いた。
〇なくて困ったもの
・モバイルバッテリー
・反射式ストーブ、電気ポットやケトル
・ハイブリッド車
・手巻きラジオ
・カセットコンロ
・電気ポットや電気鍋
・汗拭きシート
・真空パックの食べ物(ハンバーグなど)
・電動自転車や自転車
〇できてよかった備え
・地震直後は水が出ていたが、2~3時間後には水が止まった。近所の方から「風呂場に水をためておいた方が良い」と言われたため、風呂場やペットボトルに水をためておいた。トイレを流す水に使用出来たりしたので、助かった。
実際の声を聞くと、ガスが長期間使用できず、電気ポットや鍋、加熱不要の食料や飲料水が欠かせなかったようです。また、ガソリンを得るのが困難だったため、自転車が震災当時は買い出しなどに大変役に立ったということでした。近所の方の声かけに、助けられたという声もありました。
震度7の揺れとは
東日本大震災では、宮城県栗原市では最大震度7が観測された他、宮城県、福島県、茨城県、栃木県などでは震度6強を観測しました。
震度6強となれば、「固定していない家具は倒れ、人は這わないと動くことができません。」
震度7は、「木造建物で耐震性が低いものは、傾くものや倒れるものが多く」なり、「耐震性の高い建物でも、まれに傾く」ことがあります。このような自然災害が「突発的に発生する」と考えると、太刀打ちできないようにも感じますが、備えをしっかりすることで防ぐことのできる被害もあるはずです。
ハザードマップの必要性
ハザードマップとは、自分が住んでいる場所などで、土砂災害や浸水の危険性がどれくらいあるのかがわかるもので、パソコンやスマートフォンなどを使って、自治体が発表しているハザードマップを確認することができます。
家の近くや、避難場所に向かう際に、どんな危険性があるのかを把握しておくことは、いざ災害にあった際に、早めに安全な行動をとることにつながります。
また、離れて暮らす家族や親戚などがいる場合も、同じように家の近くにどんな危険性があるのか把握し、ホームページを確認できる人が情報を伝えて、早めの避難の後押しをしてあげてください。
また、災害の発生時間の違いによる避難方法や集合場所についても確認しておきましょう。昼に災害が発生した場合、家族は仕事や学校などでバラバラに行動している可能性があります。いざという時の集合場所や連絡手段について、日ごろから家族と話し合っておきましょう。夜に災害が発生した場合は、明かりの確保も重要になります。停電になると街路灯はもちろん、信号機もつかなくなります。家の中にとどまるという選択肢も踏まえたうえで、避難方法を確認しておきましょう。
実際に大きな震度の地震の揺れを体験することも大切
「防災教育」の一環として、地震などの災害を実体験できる施設が全国にいくつかあります。その一つが東京消防庁により開設された「本所防災館」です。
そこでは、震度7の地震を体験することができます。体験した大人でも、動揺してしまうほど大きな揺れです。深夜帯にも地震が起きうることを考えると、「いざ、地震が起こったらどう行動するべきか」を頭と体に沁み込ませておかないと、とっさの判断や行動をとることは生半可ではありません。
子供と一緒に楽しみながら、学ぶことのできる災害体験施設に行ってみるのは、未来ある子供達に「防災」を考えてもらう1つの方法だと思います。
※この記事は、tenki.jpとYahoo!ニュースによる共同連携企画です
