あの人気マンガ『キン肉マン』と再びコラボです。
8月の記録的大雨で被災した、ふるさと美里町(みさとまち)の復興を支援しようと、画家・瀧下 和之(たきした・かずゆき)さんがチャリティーグッズを制作しました。
10月に美里町で開催された『美里ランタンフェスティバル』です。
会場では、8月の記録的大雨の被災地復興支援のためのチャリティーグッズが販売されていました。
かわいい鬼と人気マンガ『キン肉マン』のコラボレーションによるチャリティーTシャツです。
【来場者】
「斬新なデザインでしたので、職場の上司にお土産に買ってプレゼントしようと思います。(キン肉マンが)大好きだったので、もう〈これは買わんといかん〉と思って」「〈美里町の復興になれば〉と思って。わずかなことですが、できることがあれば、やりたい」
鬼を描いたのは、画家・瀧下 和之さんです。
【画家 瀧下 和之さん】
「(8月の大雨のときは)夜中、仕事をしていたんですが、〈雨がすごく強いな〉と思っていたんですよ。停電が4回ぐらい起こって、〈とても仕事できないな〉と思って寝て、翌日朝、ニュースを見たら崖崩れとか、道路が崩れていたり、家屋も被害があったり…。SNSに美里町の被害を書いたところ、『キン肉マン』(作者)の嶋田先生から『何か協力させてください』というありがたいお言葉をいただいて。そこでTシャツの件は動き出したんですけど」
瀧下さんは幼いころにマンガ『キン肉マン』を読み、登場するキャラクターたちをまねして描いたのが、画家となる原点だったといいます。
画業20周年だった2024年、『アートフェア東京』で憧れの『キン肉マン』とのコラボが実現。
そして『キン肉マン』の作者である『ゆでたまご』の2人、嶋田隆司(しまだ・たかし)さんと中井義則(なかい・よしのり)さんがそれぞれ美里町にある瀧下さんのアトリエを訪れました。
【画家 瀧下 和之さん】
「(2016年に)熊本地震があった時に、当時、東京にいまして、チャリティーで色紙を描くという経験があったので、(大雨のあと)すぐに美里町の担当の方に連絡して動き出して。いただいた気持ちを今後、美里町が被災された方に直接届く形で使っていただければなと思いますし、支援してくださった方もたぶんそう思われていると思うので、これからも支援になることはどんどんやっていこうかなと思ってます」
制作の拠点を東京から美里町に移し、3年がたちました。ことしは特に、生まれ育ったこの熊本を意識した年でした。
初めて熊本銀行のカレンダーの図柄を手がけました。実は、瀧下さんの両親はかつて、ともに現在の熊本銀行の行員として働いていました。
【取材者】
「オレンジはあれですよね、熊本銀行の…」
【画家 瀧下 和之さん】
「そうです。絵にする時はちょっと明るくしないと。たぶん同じようなオレンジに感じられないので、ちょっとだけ明るくしています。カレンダー自体は何回かやっていますが、銀行のものも地元の企業のものも初めてです。すごく縁を感じて、〈しっかりやらなきゃな〉という気持ちとワクワクとで、楽しみながら描きました」
(熊本銀行 水前寺支店で、カレンダーを持ち帰る顧客たち)
【画家 瀧下 和之さん】
「カレンダーが1年使っていただけるものとして考えた時に、それがずっと壁などにあって、熊本銀行さんに親しみを感じてもらえるようなカレンダーになればなと思っています」
(カレンダーの中のオレンジ色の鬼)
(『美里ランタンフェスティバル』でオレンジ色の約500基のランタンが美里町の夜空を彩る)
(揺らめくランタンのひとつに『ずっと美しい里でありますように』と書かれている)
(瀧下さんはランタンに『鬼』を描いた)
来年は災害のない、穏やかな年でありますように。
熊本で楽しげに遊ぶ〈鬼〉たちが祈っています。
