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    子育て世代の不安解消へ…母親目線の防災ワークショップ 日常に溶け込む持続可能な取り組みを

    能登半島地震などの教訓から防災への女性参画の必要性が高まる中、母親たちの「ワークショップ」が評判を呼んでいる。

    ジェンダー視点の担い手育成

    2025年12月13日、静岡県が御殿場市で開いた女性防災リーダーの育成講座。

    避難所運営や復旧、復興のプロセスにより多くの女性が参画することで、多様な人々への配慮やニーズに気づき災害関連死なども防ぐことができると考えられるために催されたものだ。

    いま、ジェンダー視点を取り入れた防災の理解を深めることで、子どもや老人などを取り残さない地域防災の担い手の育成が求められている。

    こうした中、下田市で開かれた子育て世代を対象とした防災ワークショップで参加者が学んでいたのは家庭にある道具や食材を使って作る非常食だ。

    参加した女性は「レンジで蒸しパンは作ったことあったが、湯煎でもできることは知らなかったので、本当に災害にあった時に是非子どもとやってみたいと思った」と新たな知識を活かしたいと意欲的だ。

    子育て世代の不安解消を

    このワークショップを主催したのは下田防災クラブ・IMAGINE(イマジン)。

    代表の渡辺恵さん自身も「ふじのくに防災士」で3児の母だ。

    能登半島地震をきっかけに何かできることはないかなと思い防災士の講習を受けに行ったという渡辺さんは「知ることで不安が解消されることも多かったので、同じ子育て世代で不安を持ってる人たちに伝えていけたらなと思って」と講習会を始めたきっかけを教えてくれた。

    IMAGINEのメンバーは現在4人で、定期的に集まり、どうしたら防災をもっと身近に感じてもらえるか意見を交わしている。

    メンバーのひとり金子香苗さんは「防災に興味はあったが、まだまだ分からないことがあったので、一緒に手伝い防災を学んでいけたらいいなと思って」と参加した理由を話した。

    拡がる活動の場

    11月29日、この日は隣接する河津町でワークショップを開催。

    市外での活動はこれが初めての試みだ。

    このワークショップを開催した子育て支援センター「かわづっこひろば」の土屋眞希さんは「『防災』という言葉は意外とハードルが高くて、皆さん構えてしまう」とした上で「でも下田でやっている(IMAGINEの)活動を見て、そうではないということを小さな子どもや小学生の子どもを持つ河津の人に知ってもらいたいと思った」と今回の目的を教えてくれた。

    この日は停電した際に子供の不安を和らげるアイテムの作り方や100円ショップで揃えられる便利なグッズを紹介。

    参加者は「初めて防災について話を聞いて、これから家に帰って実践してみたいと思った」と話した。

    また、11月30日には消防とタッグを組んだイベントも実施。

    参加した親子はサーモグラフィカメラを使ったジェスチャークイズを体験したほか、ペットボトルを利用して懐中電灯の光をさらに明るくする方法などを学んだ。

    「作ったり、クイズをしたり、探したり楽しかった」と参加した子供たち。

    「子どもがまだ小さいので、非常時にアイラップ(耐熱袋)でのご飯の作り方などを学べたのはすごくためになった」と話す母親の声もあった。

    下田消防署の長谷川正敏 副署長は「親(世代)も震災や災害を知らない中、こういう活動をしてもらうことで、子供たちも含めて地域の人に(防災について)知ってもらえる良い機会だと思う」と活動の意義を感じていると話した。

    防災に取り組む入り口を

    IMAGINEの立ち上げからまだ1年足らずだが、地道な活動が実を結び今では講座やイベントの依頼も増えている。

    呼びかけるのは持続可能な防災への取り組みだ。

    「防災は一生涯続くもので、特別なもの、堅苦しいものと思ってしまったら続かないと感じていて」と話す渡辺さんは「せっかくやるのであれば楽しく、もっと日常に溶け込ませたものであった方が良いのではないかという考えで活動している」と意気込みを語った。

    活動のテーマは「ゼロからイチに」。

    多くの人にとって防災に取り組むきっかけや入り口を作ってあげることが目標だ。

    (テレビ静岡)

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