桜と梅の開花時期の違いとは? 休眠打破や気温との関係を気象予報士が解説
一般的に早く咲くのは「梅」
これらの開花を左右するのが「休眠打破(きゅうみんだは)」です。これは、冬の寒さを一定期間経験することで、花芽が目覚め、開花へ向かう過程を指します。
梅と桜ではこの休眠の深さに違いがあります。梅は桜よりも休眠が浅いため、冬の終わりから気温が少し上がるだけで、花芽の成長が進み、早春に開花しやすい特徴があります。一方、桜は休眠が深く、「冬の寒さ」を十分に経験した後、「春の暖かさ」が加わることで、一気に開花へと向かいます。
桜と梅の平均的な開花時期を比較
一方、北海道では梅と桜の開花時期がほぼ同じです。札幌の梅の開花の平年日は4月29日、桜は5月1日と数日しか変わりません。この背景にあるのは、北海道ならではの冬の寒さの長さと、春の気温の上がり方です。
北海道では春の訪れが遅く、冬の間は気温の低い状態が長く続きます。そのため、梅も桜も花芽は十分に休眠した状態で冬を越します。その後、春になると気温が一気に上がり始め、短い期間で開花に必要な暖かさが積み重なります。そのため休眠の浅い梅も休眠の深い桜もほぼ同じタイミングで開花条件を満たしやすくなるため、梅と桜がほぼ同時に咲くという現象が起こるのです。
実際に、札幌の開花日を見てみると、2023年は桜が4月14日の開花、梅が4月15日と、桜が一日早い開花となりましたが、2024年は梅が4月17日、桜が4月18日と梅が一日早い開花でした。2025年は梅と桜がどちらも4月23日に開花しました。
梅の開花 沖縄より東京が先に咲くことも?
高知や東京などが全国のトップを切って桜が開花したというニュースをよく耳にしたことがあると思います。過去の桜(ソメイヨシノ)の開花のトップは、昨年2025年は3月23日で高知と熊本、2024年も3月23日で高知、2023年は3月14日に東京で開花しました。東京としては統計開始以来、2021年と2020年と並んで最も早い記録となりました。
しかしながら、桜の開花においては、いくら高知や東京などの本土の地点の開花が早くなっても、沖縄より早く咲いたケースはこれまでありません。
一方、梅は本土の開花が沖縄を先行することがあります。
温暖な太平洋側の地域で早く咲く、という傾向こそ桜と同様ですが、年によっては沖縄のほうが遅く咲くことがあるのです。2026年は松山や静岡、東京・横浜など、複数の地点で那覇と石垣島よりも早く咲くこととなりました。
これは、梅が桜よりも休眠が浅く、その年の日当たりや微妙な気温の差の影響を受けやすいためです。
梅の開花が早い年は桜も…? 2026年は記録的な早咲きになった地域も
2024年の横浜を例にあげると、梅の開花は1月15日で平年より17日も早かったものの、桜の開花は4月1日で平年より7日も遅くなりました。
2026年は、1月5日に静岡で梅の開花のトップを切り※、1月13日には横浜で梅が開花しました。横浜では観測史上最も早い開花となりました。この冬は冷え込みが弱く、年明け以降、気温の高い日が続いたことで、記録的な早咲きになったと考えられます。記録的に早い梅の開花で、このままだと桜の開花も早くなるのでは…と思いますが、実際には、桜の開花はその後の2月、3月の気温に左右されるため、梅が早かったからと言ってもその後の気温によって変わってくるのです。
※2025-26年の冬としてカウントすると、2025年12月23日に咲いた松山が最早です。

