冬タイヤ交換は大丈夫?高速道路では着々と進む冬支度
写真提供:NEXCO中日本 桑名保全・サービスセンター
そんな中、高速道路では着々と冬支度が進められています。
冬の道路は、雪や凍結によるスリップ事故の危険が高まります。特に冬の初めは、都市部から流入する車が冬用タイヤを装着していないケースが多く、事故の原因になっています。安全なドライブのためには、早めの冬用タイヤへの交換とチェーンの準備が欠かせません。
高速道路では、地域にもよりますが毎年10月~11月になると雪氷対策の準備が始まります。除雪車や凍結防止剤を散布する車両が点検され、出陣式で安全祈願が行われます。こうした準備により、冬の交通を守る体制が整えられているのです。
NEXCO中日本「雪氷対策出陣式」の様子を取材
冬道を守る除雪車達が揃い踏み
こちらの除雪車は、私の背の倍近い高さがあります。
黄色い大きなトラック、高速道路で見たことある人も多いかもしれませんね。
NEXCO中日本が保有する除雪車の場合、高さは約3.5m、重さ約15トンと大きな車です。
隊列を組んで走行する除雪車・散布車・標識車(手前から順)写真提供:NEXCO中日本 桑名保全・サービスセンター
高速道路上にたくさんの雪が積もり、除雪しないままにしておくと、運転の妨げになるばかりでなく、時間が経つと路面が凍結して滑りやすくなるため、大変危険です。
そうした時に除雪車が、道路上に積もった雪を、前についた大きなシャベルのようなもので一気に取り除いていきます。さらにその後をついていくようにして、散布車が走ります。散布車が道路に散布するものは、塩化カルシウムなどの凍結防止剤で、道路の凍結を防ぐ効果があります。
塩化カルシウム等を湿らせて散布する
それは、水に塩化カルシウムを混ぜると、0℃を下回っても凍らなくなる性質があるからです。たくさん混ぜるとマイナス20℃でも凍らなくなります。この性質を使用し、道路の凍結を防いでいるのです。
取材した桑名保全・サービスセンターでは、伊勢湾岸道(湾岸弥富~四日市JCT)や新名神高速道路(四日市JCT~甲賀土山、亀山JCT~亀山西JCT)などを管理していて、除雪車32台、散布車54台が、除雪作業や凍結防止剤の散布にあたります。
神事の様子 基地内は荘厳な空気に包まれた
取材したNEXCO中日本管内の山沿いの地域では、早ければ11月後半には降雪となるところがあるため、11月前半のうちに作業車が正常に動かせるか、点検をしているのです。出陣式では神事が営まれ、冬期の交通安全祈願が行われたあと、デモ走行が行われました。出陣式には、雪氷作業に当たる方々の気持ちを一つにまとめるような意味も込められているそうです。
冬の入口はスリップ事故に注意!
冬期の事故について、取材に応じた桑名保全・サービスセンターの下保 保全計画担当課長は、「特に冬の初めは外部(都市部)から流入する、冬用タイヤ未装着の車による事故が多い。お出かけの前に予報を見た上で、冬用タイヤの装着、チェーン携行をしてほしい」と話していました。
冬用タイヤへの交換はお早めに
日本気象協会では、本格的な雪の時期を迎える前に、冬用タイヤへの準備を行う時期の目安を「冬用タイヤ準備前線」と称して発信しています。
大雪が予想される際には、事前の通行止めが発生する場合もあります。運転の際には、事前に各地方の高速道路会社の公式ウェブサイトを確認し、安全運転を心がけましょう。
