登山で知っておきたい気温の知識 「寒さ」編 気温以外に寒さに影響する気象要素とは?
標高と気温の関係
今登山に必要な知識として、寒さに関する気象要素を解説します。
標高が1000m上がると、気温はおよそ6.5℃下がります。
つまり、ふもとの気温が30℃だったとしも、標高1000mで約23.5℃、3000m級の山になると、山頂付近は約10.5℃になります。
10.5℃というと、東京の1月から2月の最高気温の平年値の気温ですので、山の上では夏でもほぼ真冬並みの気温ということになります。
ふもとは暑いからと言って、軽装で登山に臨むのは大変危険です。特に標高の高い山に登る方は、秋や冬はもちろん、夏でも防寒着を必ず持っていくようにしましょう。
風と体感温度の関係
人間は、体温が上がりすぎたり下がりすぎたりすると、体内の働きに影響が出て体に変調を引き起こすため、体の温度を守ることは非常に大切です。
「体の温度」には気温はもちろんのこと、風や雨、日射や湿度といった様々な気象要素が影響します。様々な気象要素に注意しながら、体の温度を守って、安全に登山できるようにしましょう。
では、風速が1m/s強くなると体感温度は何℃変化するでしょう?
風速が1m/s強くなるごとに体感温度は1℃ずつ下がると言われています。
皮膚を覆っている熱が風によって吹き飛ばされて奪わるためです。例えば、10℃の気温で風速5m/sの風が吹いていたとすれば、体感温度はおよそ5℃になります。気温がそれほど低くなくても、風が強いと気温よりぐっと寒く感じる可能性があります。
特に、稜線や頂上付近は風が強くなりやすいです。ウィンドブレーカーなどでしっかり風対策をしましょう。
雨と体感温度の関係
水の伝導率は空気の約25倍と言われていますので、雨で体が濡れてしまうと25倍のスピードで体から体温が奪われてしまいます。
さらに、雨と風の影響を同時に受けてしまうと、そのスピードはさらに加速します。登山の際は、風や雨をしのげるアウターウェアを必ず装備するようにしましょう。
たとえふもとの気温が高くても、お天気がよくても、風が穏やかでも、山の天気は変わりやすいため、油断は禁物です。
体が感じる温度は気温だけで決まるものではないため、様々な気象要素を確認したうえで、服装などの装備準備するようにしましょう。
