3月の満月「ワームムーン」 今年はひな祭りや皆既月食とも重なる当たり年 名前の由来は
3月の満月は、アメリカの農事暦で「ワームムーン」と呼ばれています。土の中で冬を越した虫たちが動き出す季節にちなみ、春の訪れを告げる満月です。
今年2026年のワームムーンは3月3日のひな祭りと重なり、さらに皆既月食も起こる特別な天体ショーとなります。
この記事では、ワームムーンの名前の由来や観測できる日時に加え、皆既月食の見どころや天体観測のポイントも紹介します。ぜひ、春の天体観測の参考にしてください。
「ワームムーン」と呼ばれる理由は?意味や名前の由来を解説
アメリカの農事暦では、月ごとの満月にそれぞれ名前がつけられています。ワームムーン以外の満月の名称には、ピンクムーン(シバザクラが咲く時期の4月)、ストロベリームーン(イチゴが実る時期の6月)などがあります。
これらの名称が生まれた背景には、アメリカ先住民が満月に独自の名前をつけることで季節の移り変わりを捉えていた伝統があります。また、それぞれの満月の名称は、その月の満月を含む1か月の呼称にも用いられていたそうです。
ワームムーンという名称は、土壌が温まり始めた3月、冬の休眠から目覚めたさまざまな幼虫が地上に現れることに由来しています。
クマやスカンク、鳥など冬眠から目覚めた動物にとって、幼虫たちは食料源のひとつとなります。また幼虫の排泄物は、土壌を豊かにしてくれます。虫や動物が息をひそめる冬が終わり、活発な生命活動が戻り始めることから、3月の満月がワームムーンと呼ばれるようになったようです。
ワームムーン(芋虫月)という名称だけみればユニークなイメージもありますが、由来を知ると春の訪れによる希望や生命力を感じられますね。
なお、現代の日本で用いられている二十四節気(※1)にも、3月上旬~中旬ごろに「冬ごもりしていた地中の虫がはい出てくる」という意味をもつ「啓蟄(けいちつ)」があります。ワームムーンの由来とよく似ていますね。住む場所は違っても、昔の人々が季節の移り変わりを繊細に感じ取っていた点は共通しているようです。
※1:1年を4つの季節(春夏秋冬)に分け、各季節をさらに6つに分けた24の節目のこと
2026年のワームムーンはいつ見える?満月の日時は予測可能
「月の暦」があることに対し、不思議に思う方もいらっしゃるかもしれません。月の暦が存在するのは、月が平均約29.5日のサイクルで「新月→上弦→満月→下弦→新月」という満ち欠けを繰り返しているためです。このサイクルに当てはめることによって、今後の満月の日時も予測できるというわけです。
月の満ち欠けといっても、もちろん物理的に月が欠けたり大きくなったりするわけではありません。「地球にいる私たちから、月のどの部分が見えているか」によって、満ち欠けが生じます。月と太陽の位置関係の変化にともない、太陽に照らされた月が光って見える部分が変わっていくためです。
月と太陽がほぼ同じ方向にあり、太陽の光が当たっている側が地球から見えないときが新月、太陽と月が180度離れたときが満月です。満月のときの月は太陽と反対方向にあり、明るい側が地球を向いています。月のほぼ全面が光っていて、基本的には丸い月が見えます。
月の満ち欠けのサイクルに当てはめれば、今後の満月の日時も予測可能です。
他の月の満月は?2026年の満月日時一覧
■2026年 各月の満月とその名称
ウルフムーン 1月3日(火) 午後7時3分頃
スノームーン 2月2日(月) 午前7時9分頃
ワームムーン 3月3日(火) 午後8時38分頃
ピンクムーン 4月2日(木) 午前11時12分頃
フラワームーン 5月2日(土) 午前2時23分頃
フラワームーン(※2回目) 5月31日(日) 午後5時45分頃
ストロベリームーン 6月30日(火) 午前8時57分頃
バックムーン 7月29日(水) 午後11時36分頃
スタージョンムーン 8月28日(金) 午後1時19分頃
コーンムーン(ハーベストムーン※) 9月27日(日) 午前1時49分頃
ハンターズムーン 10月26日(月) 午後1時12分頃
ビーバームーン 11月24日(火) 午後11時54分頃
コールドムーン 12月24日(木) 午前10時28分頃
動物や気候、植物など、バリエーション豊富ですね。3月のワームムーンは唯一、虫に関連する名前がつく満月となっています。
ワームムーンを観測できる3月3日は、日本においてもそろそろ少しずつ春の訪れを感じられる時期です。遠い地で暮らす先住民が新たな生命活動の始まりを感じ取ったように、満月を眺めながら希望に満ちた春に想いを馳せてみてはいかがでしょうか。
※2026年の5月は満月が2回あります。
1か月に2回満月があるときの2回目の満月をブルームーンと呼びます。諸説ありますが、めったにないことを意味する英語の慣用句「once in a blue moon」が由来とされています。
※秋分に最も近い満月は「ハーベストムーン」とも呼びます。
今年は皆既月食も楽しめる特別な満月
皆既月食とは、月が地球の影にすっぽりと入り込み、月全体が赤銅色(しゃくどういろ)に染まって見える現象です。
国立天文台の発表によると、月は18時50分から欠け始め、20時4分に皆既食となります。皆既食は21時3分に終わり、その後22時18分に部分食が終了します。
月食は夜の早い時間帯に進むため、夜遅くまで起きていなくても観察しやすい条件となっています。
春の訪れを告げるワームムーンとともに、今年は特別な天体ショーを楽しんでみてはいかがでしょうか?
3月のひな祭りは満月ワームムーンと皆既月食も楽しめる 春の訪れを告げる満月を観賞しよう
2026年のワームムーンが見られる3月3日、ひなまつりの夜は、皆既月食も起こる特別な満月となります。満月が赤銅色に染まる幻想的な光景は、普段の満月とはまた違った魅力です。
春の訪れを感じながら、今年はワームムーンと皆既月食の共演を、ぜひ空を見上げて楽しんでみてはいかがでしょうか?
参考:国立天文台

